モヤモヤ血管治療=動注治療について

提供元:Okuno Clinic. 奥野祐次医師
モヤモヤ血管とは

この異常血管は神経と一緒に増生し、痛みの原因となり、一度できてしまうと簡単には減りません。
この異常血管と一緒に出来た余計な神経が痛みの信号を発してしまうことこそが痛みの増強や、痛みの持続につながっていることが最近解明されてきました。
動注治療とは
モヤモヤ血管による疼痛治療のひとつが動脈注射治療(動注治療)で、動脈に直接薬液を注入する治療となります。
薬液はイミペネム・シラスタチンという抗生物質で この薬剤は非常に溶けにくいことが特徴としてあげられます。
溶けにくいために少量の液体と混ぜると溶けきらずに小さな粒子となり、この粒子が血管内に注入されると、細かい血管が粒子により詰まります。
つまりモヤモヤ血管がたくさんあるところにこの薬剤を流すと、モヤモヤ血管の血流が悪くなり、ダメージを与えることができるのです。

動注治療の適応疾患
下記の疾患が適応となります。
動注治療の治療手順

提供元:Okuno Clinic. 奥野祐次医師
②細い針もしくは留置針をエコーで確認しながら動脈に挿入していきます。
③薬剤の注入を行います。
④針を抜去し、注射部位を5分程度圧迫止血します。
約10分で治療完了となります。
治療効果について
モヤモヤ血管に対する動注治療の治療効果は治療後3~4週後に最も実感されることが多いようですが、1回の治療ですべてのモヤモヤ血管を除去することはできないため、4~6週程度の間隔を空けて2~3回治療することをお勧めします。
ヘバーデン結節に対する治療効果
動注治療の注意事項
治療を受けた当日は入浴を避け、シャワー程度にして下さい。
スポーツ活動は治療後2~3日程度避けて下さい。
すでに変形してしまっている部分の変形が治る治療ではありません。
今後の変形の進行抑制効果は期待できると考えられます。
血液検査で鉄欠乏がある場合、効果が出にくい傾向があります。
鉄剤を1~2ヶ月間内服してから行うことをお勧めする場合もあります。
動注治療の副作用について
薬剤を手や足に流した際に、一時的に皮膚の色調変化や、痛み、違和感を認めることがあります。しかしその変化は一過性で、ほとんどは数十分ないし数時間で改善します。
まれに、指先の皮膚の色が2~3週間にわたり変色することがありますが、これも自然と解消されます。

また注射による内出血、薬剤によるアレルギー(0.4%程度)が確認されることがあります。
※いずれも局所的な場合が多いです。
動注治療の費用
動注治療は健康保険での治療が認められておらず、自費診療となります。
| 1回目 | 片側のみ治療 | 33,000円 |
| 両側を治療 | 44,000円 | |
| 2回目以降(3か月以内) | 片側のみ治療 | 22,000円 |
| 両側を治療 | 33,000円 |
