2018年12月 札幌市西区「メディカルスクエア二十四軒」に開院の整形外科医院「だい整形外科クリニック」 

サイレント・マニピュレーション

五十肩の新しい治療法
「サイレント・マニピュレーション」

五十肩による動きの制限
五十肩による動きの制限


五十肩とは40~60代の方に多く起こる疾患で、「肩関節周囲炎」とも呼ばれます。

特にきっかけがなく肩に痛みが起こり、徐々に肩の動く範囲が制限されていきます。また寝ている時に痛む(寝返りで痛む、痛い方の肩を下にして眠れない)のも特徴です。

原因としては、肩関節の関節包という部分に炎症が起き、縮んでしまうと考えられています。

正常な肩関節と、四十肩・五十肩

 肩関節への注射やリハビリテーションによる治療が行われますが、動きの制限が強い場合は中々改善しない事も多い病気です。
 近年、この五十肩の新しい治療法として「サイレント・マニピュレーション」という方法が開発されました。これは肩に麻酔を行って動かすことにより、縮んでしまった関節包を剥がし、肩の動きを劇的に改善する治療法です。
まだ札幌でこの治療を受けられる病院はごく少数ですが、当院では動きの制限が強い方や、病気の期間の長い方を対象にこの治療を行っています。
当院での方法を説明します。

① 頸部への麻酔

サイレント・マニピュレーションの流れ:頸部への麻酔
サイレント・マニピュレーションの流れ:頸部への麻酔

エコーを用いて頸部の神経に麻酔を行います。
これにより肩を動かした際の痛みが無くなります。麻酔がかかった腕は肩を動かしたり、肘を曲げたりする事が出来なくなりますが、7~10時間で元に戻ります。

② 固まった肩関節を動かす

サイレント・マニピュレーションの流れ:固まった肩関節を動かす

固まった肩関節を全方向に動かして、縮んだ関節包を剥がしていきます。
この際に関節包の剥がれる「プチプチ」という音がしますが、痛みはありません。
最後に肩関節内に注射を行います。

③ 三角巾を着用する

サイレント・マニピュレーションの流れ:三角巾を着用する



麻酔が切れて腕が動くようになるまでは、三角巾を着用します。
7~10時間後には肩・肘の動きが戻ります。
動くようになれば三角巾は外して構いません。

④ 翌日再診&リハビリテーション治療開始

翌日来院して頂き、状態を確認します。
リハビリテーションによる治療を開始し、積極的に肩を動かすようにします。

治療後1~3カ月程度で、多くの方が肩の動きを大きく改善する事が可能です。
全て保険診療により行われ、1回の治療は3割負担で6000円程 (初・再診料、リハビリテーション料は別途)となります。肩の痛みや動きの制限でお困りの方は、是非ご相談下さい。